【昨年度西日本豪雨被災キャンプ】2024秋のリフレッシュキャンプのご報告

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昨年度実施した「西日本豪雨被災」秋のリフレッシュキャンプの報告書になります。今年度は、西日本豪雨そして
ひとり親家庭の招待キャンプとして実施いたします。 

期日:2024年9月28日(土)〜29日(日)
場所:国立吉備青少年自然の家(加賀郡吉備中央町)
参加:キャンパー45名・リーダー12名
◯キャンパー内訳:海星幼稚園1名、薗幼稚園1名、岡田小学校8名川辺小学校15名、呉妹小学校1名、
         薗小学校1名平島小学校4名、箭田小学校8名

【助け合いのリフレッシュキャンプ】
キャンプディレクター:三ツ橋武志(ジェットリーダー)

今回で9回目となる西日本豪雨被災児童招待プログラム「秋のリフレッシュキャンプ」を9月28日(土)~29日(日)の二日間で実施しました。

 今年は、年明け早々に発生した能登半島地震、そしてその復興途中で起こった先日の豪雨災害で被害に遭われた皆様のことを思うと、本当に胸が詰まる思いです。西日本豪雨を経験した方々は、災害の記憶が思い出されたのではないでしょうか。そのような中、少しでもこどもたちがリーダーやお友だちと一緒に安心して遊び、思い出に残るようなキャンプにしようと決めました。

 キャンプ当日は、それまでの蒸し暑い残暑から、秋を感じられる天候となり、秋晴れのもとで素敵なキャンプになりました。

 今回のメンバーの中には、第1回リフレッシュキャンプに参加したメンバーの弟たちや妹たちが参加してくれていました。6年前に参加したこどもたちは中学生・高校生となり、それぞれの場所で活躍していると聞くと、とても嬉しい気持ちになります。

 今回参加しているメンバーの中には、6年前にまだ生まれていないこどもたちもいます。しかし、西日本豪雨の話をすると、色々な思いを教えてくれました。大きな災害を経験することはとても辛いですが、経験したからこそ、強く生きていく力が身についているように思います。

 その一つとして、今回のキャンプ中も随所に「助け合い」を感じました。 集合時に「自分がされて嬉しいことができる2日間にしよう」と話をしましたが、誰かが困っている時、「大丈夫?」と手を差し伸べる姿を、たくさん見ることが出来ました。1人では出来ないことも、仲間が集まれば出来る、そんな助け合いの姿が素敵でした。普段でも【助け合い=あたりまえ】になっているのかもしれません。

 今後もこのようなリフレッシュキャンプを実施できたらと思いますし、将来、こどもたちが大きくなった時、YMCAのリーダーになってくれたり、災害が起こった際にボランティアとして活躍してくれたりすることを楽しみにしています。

【共に過ごす誰かのために】
プログラムディレクター:佐藤友哉(メッシリーダー)

秋のリフレッシュキャンプに参加してくださったみなさん、ありがとうございました。みなさんととても楽しく、幸せを感じられる2日間を過ごすことができました。夏の厳しい暑さも和らぎ、秋のはじまりを感じるキャンプとなりました。

 今回のキャンプには、年長から小学6年生までの合計45名のこどもたちが参加してくれました。キャンプ中の様々な場面で、こどもたちは自然と共に過ごしました。特にグループの時間や川遊びでは、自然の中だからこそできる遊びを思いっきり楽しむことができました。自然は、我々人間の力では抗うことのできない猛威を振るうことがあります。しかし、それと同時に自然は、雄大で美しく、楽しさや面白さを見つけられる場所でもあります。自然の中で過ごすことで、こどもたちには自然の持つ様々な力に触れることができたのではないでしょうか。

 リフレッシュキャンプの中で、こどもたちやリーダーの楽しむ力や自分たちの「やりたいこと」を実現する姿を様々な場面で感じました。加えて、自分のことだけでなく、キャンプに来ている自分以外の誰かを想った行動をする姿にも驚かされました。重い荷物を運ぶ友達を手伝ったり、みんなが使った場所を率先して掃除してくれたり、お礼をきちんと伝えていたり、ともだちやリーダーの名前を呼んだりしている場面にたくさん出会いました。キャンプには、1人ではなく、友達やリーダーと一緒にするからこそ楽しいことがたくさんあります。したがって、自分さえ良ければではなく、共に過ごす誰かのことも考えることが非常に大切です。YMCAでは、キャンプにとどまらず、日常生活や他の場所でも自分以外の誰かを想うことができる、そんな人が育つ場を今後も創り続けていきたいと思います。

 今回のリフレッシュキャンプを行うために支援をしてくださった皆様、こどもたちを送り出してくださった皆様、キャンプに参加してくれたこどもたちとリーダー、全ての方々の力によって今回のキャンプを行うことができました。本当にありがとうございました。

【自然を思いっきり楽しんだ2日間】
プログラムチーフ:前田 羽叶(めぇちゃんリーダー)

2024年秋リフレッシュキャンプは、2日間、思いっきり自然と共に楽しんでほしいという思いとともにスタートしました。集合の時から慣れた様子のこどもたちや、初めてのキャンプにドキドキしている様子のこどもたちなど、一人ひとりがこれから始まるキャンプに対する楽しみな気持ちを抱いていました。バスの中でたくさんお話をして、すぐにグループのお友だちと仲良くなれました。

 国立吉備青少年自然の家に到着し、待ちに待ったグループの時間。各グループごとに、オリジナルのブローチを作ったり、秘密基地を作ったり、探検をしたりしながら、自然の中での遊びを思いっきり楽しみました。夕食を食べ、みんなでお風呂に入ったあとは、キャンプファイヤーです。みんなで過ごすキャンプの夜、ゲームをしたり、歌を歌ったりして楽しみました。

 2日目には、歩いて河川敷に移動し、川遊びをしました。各グループ、魚を一緒に探したり、水をせき止めてみたり、水の掛け合いをしたりして遊びました。その後、最後のグループでの時間を過ごしました。前日にしていた遊びの続きをしていたグループや、栗をたくさん拾って季節を感じながら楽しんでいるグループなど、それぞれのグループで自然のものを上手く使いながら全力で楽しむことができました。

 最後に「キャンプ楽しかった?」と聞いてみると、みんな口をそろえて「楽しかった!!」という声が聞こえ、「また来たい」という声もたくさん聞こえました。みんながやってみたいことに挑戦し、楽しい思い出を作ることができたのだと思います。また、どこかで成長したみんなと笑顔で会えることを楽しみにしています。

【未来を創るこどもたちの育ちの場】
プログラムスタッフ:白鳥雅人(じょーじリーダー)

今年も西日本豪雨災害を経験したこどもたちのために、リフレッシュキャンプを実施できたことに感謝いたします。今回のキャンプには、年長児から小学6年生まで45名のこどもたちを招待することができました。このような形でキャンプが実施できたのは、私達の呼びかけに応えて全国からご支援くださった100名の支援者、支援団体があったからに他なりません。6年経った今も西日本豪雨のことを覚えて、こども達のためにご寄附をくださり、キャンプの成功を祈ってくださった皆様には感謝の念に堪えません。

 今回、真備町の集合場所となった吉備真備駅を訪れた際、当時の水かさがどこまで来ていたかを示すラインを見上げてみました。地上から約5mのところに示された青い線を見て、改めてその恐ろしさを感じました。

 キャンプでは男女あわせて7つのグループができました。このグループそれぞれが、現地に到着して最初に取り組んだのは、「グループとしてどのようにキャンプを過ごすか」を決めることでした。「どんなグループだったら居心地がいいかな?」「言われて嫌なことってどんなこと?」そんなやり取りをリーダーと一緒にするうちに、自分たちのグループのあり方をこどもたち自身で決めました。自分で決める(自己決定)というのは、こどもたちにとって、とても大切な経験です。どのグループも、自分たちが理想とするグループを共通理解として持ちながら、キャンプが始まっていきました。

 災害が起こったのは6年前ですから、今回参加したこどもたちの中には、あまり記憶がないこどもたちもいました。しかし人間の記憶は顕在意識の中だけでなく、無意識の中にもあるそうです。特に怖い記憶や辛い記憶は、私達の防衛機能として無意識の中に抑圧されると言われています。だからこそ私達はこれまでも、こどもたちが何も心配することなく、できるだけ我慢しないで、やりたいことを思いっきりできるキャンプを行ってきました。今回もグループのこどもたちがリーダーと一緒に相談して、どんなことをして遊ぶかを決め、その遊びをみんなで支えていくというキャンプを行いました。

 いつかこどもたちが大人になり、こども時代を振り返った時、つらく苦しい思い出ではなく、人に支えられ、優しさや愛情を感じられた経験として思い出せるような今であってほしいと願っています。そして将来、今度は自分が誰かを支えていくことを喜びと感じられるような人に成長していってほしいと願っています。

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