余島わんぱくキャンプ
日程:8月11日(金)〜13日(日)
場所:神戸YMCA 余島野外活動センター
メンバー:43名 リーダー:12名 スタッフ:2名
夏らしい青空の下、余島わんぱくキャンプを実施しました。
【8月11日(金)/1日目】
新岡山港・サンポート高松をフェリーが出港しました。目指すは、小豆島の沖に浮かぶ無人島「余島」です。
フェリーの甲板から「バイバーイ」「いってきまーす」とお見送りのお母さんたちに手を振るこどもたち。いざ離れると不安になったのでしょうか。少し涙がこぼれるお友だちも。リーダーたちが声をかけつつも、緊張した面持ちのお友だちもたくさんいました。
フェリーが土庄港に到着し、バスと渡船を乗り継いで、わんぱくキャンプの舞台「余島」に到着。「あつ〜い!」と言いながら、重たい荷物を運びます。疲れた時には陽光に輝く海を見て「きれ〜い!」と気分転換するグループもありました。
ここではじめて岡山メンバーと高松メンバーが合流です。自己紹介をしたり、ゲームをしたり、少しぎくしゃくとしながらも交わる姿が見られました。
昼食を済ませた後は、各キャビンにチェックイン。グループタイムのための、打ち合わせも行います。短い時間とはいえ、グループだけで過ごす時間を持ったからでしょうか。キャビンから出てくると、午前中と比べて、格段にグループの雰囲気が明るくなりました。
グループタイムでは、お友だちやリーダーと相談しながら、何をするか考えます。
この日は多くのグループが、浜辺で足をつけてみたり、魚釣りをしたりして遊びました。足だけをつけるはずが、気づけば寝転がって全身ずぶ濡れになっているグループも。フェリーで強張った表情をしていたお友だちも笑顔が多く見られるようになりました。高学年の女の子グループはカヌーを出して、海へと繰り出しました。「1・2・1・2」と掛け声を合わせたり、おしゃべりをしたりしながら、小豆島まで縦断。「エンジェルロードの先まで行ってきちゃった〜」と話してくれました。
夕食を済ませた後は、キャンプファイヤーです。リーダーたちの教えてくれるゲームをしながら、歌ったり踊ったり。辺りは暗くなれど、楽しい時間を過ごすことができました。キャンプファイヤーが終わった後も、残り火でマシュマロを焼くグループ、流れ星をさがすグループなどなど。2日目を楽しみにしながら、キャビンに戻っていきました。
【8月12日(土)/2日目】
朝から雲ひとつない快晴。この日も暑くなりそうです。
起き抜けに元気なグループもあれば、少し寝ぼけ眼を擦りながら下りてきたグループもあります。キャンプソングを歌ったり、ゲームをしたりして、みんなで目を覚ましました。
朝食後、みんなが楽しみにしていた全体水泳の時間です。
ウォッチやバディなど、海での安全についてもしっかりと確認したところで、海水浴スタート!水の掛け合い・浜辺からの競争・砂山作りなど思い思いに楽しむ様子が見られました。中には、リーダーに投げてもらうお友だちもいます。「一番、遠くに投げて〜」と大きな飛沫を上げていました。
昼食の後はレスト(お昼寝)タイム。1日の中で一番暑い時間帯、午前中の疲れを取る大切な時間です。「え〜、眠くないよ〜」などと話していたお友だちもベッドで横になると、寝息を立てて眠りはじめました。
目覚めたグループから、午後からのグループの時間に向けた作戦タイムです。
「俺はね、〜がやりたい!」と積極的に発言できるお友だちもいれば、自分の思いをなかなか言えないお友だちもいます。そんなお友だちの思いを引き出すためにグループのリーダーはいるのです。「〜くんはどう?」と問いかけながら、おずおずとながらも意見が出てきます。それぞれの思いや意見をテーブルに載せた上で、「さぁ、どうしようか?」とみんなで考えます。この時間を通して、社会性を育むきっかけとなるのです。
話がまとまったグループから方々へと出発。2日目ともなり、余島の地理がだいたい頭に入ったのか、カヌーやカヤックに乗って海に出るグループ、エンジェルロードを渡りに行くグループなど、広範囲に広がって遊びました。また、入浴後にはアーチェリーに行くグループもあり、グループタイムを存分に満喫できたようです。
夜には、いくつかのグループが海に出かけ、夜光虫や海ホタルの観察をしました。はじめて見る夜光虫にみんな大興奮!「あっ!光った!!」「海ホタル、はじめて見た!」などと、夜の余島も堪能しました。
【8月13日(日)/3日目】
キャンプ3日目も青空が広がっていました。
一番高学年のお姉さんグループは早起きをして、朝釣りへ。結果は、残念ながら坊主。ですが、ゆったりとした時間を過ごすことができたようです。
朝食とお部屋の片づけを済ませ、全体水泳です。前日、繰り返し行ったこともあり、バディは完璧!グループごとに海へと飛び込んでいきました。2回目の海水浴ともなれば、遊び方はよりダイナミックになります。沖と砂浜で何度も「よーいどん!」とかけっこしてみたり、リーダーたちに協力してもらい、より高くまで飛んでみたり。休憩時間には、砂浜に身体を埋めてもらうお友だちもいました。「もっと遊びたかったな〜」という気持ちに後ろ髪を引かれながら、リーダーの合図でグループごとに退水していきます。海での思い出を残すかのように貝殻やシーグラスを拾っていくお友だちもいました。
昼食を済ませた後は、ふりかえりタイム。
グループごとに、この3日間での出来事を分かち合い、笑い合う様子が見られました。
海で泳いだこと、魚を釣ったこと、キャビンで話をしたことなどなど、思い出は尽きません。
そして、いよいよキャンプアウトです。
キャンプアウトは同時に二つの別れが待っています。一つは場所との別れ。3日間、遊んだ余島に別れを告げ、「また来るね〜」と手を振ります。もう一つは仲間との別れです。一緒に過ごした友だちやリーダーと別れの時がきました。笑顔で「また、冬のキャンプで会おうな!」と話しているお友だちもいれば、溢れてくる涙を堪えきれないお友だちもいました。
「あー、キャンプがもっともっと続けば良いのにな〜」と話すお友だち。「なんで、楽しい時間って早いんやろ?」とつぶやくお友だち。それぞれの思いを胸に、岡山・高松に向けてフェリーが出港しました。
「幸せになるために 生まれてきたんだから 好きな人と 一緒にいなさい
大切なことなんか わかってくるんだから 好きなことを やっていきなさい」
わんぱくキャンプのミーティングを何度か重ねる中で、リーダーたちと「我々はなぜキャンプをするのだろうか?それはこどもたちに、また自分にとってどんな意味があるのだろうか?」ということを話し合いました。その答えは、YMCAで掲げる『互いを認め合い、高め合う「ポジティブネット」のある豊かな社会を創る』という言葉に行き着きます。
冒頭の見出し文は、玉置浩二さんの「しあわせのランプ」という歌の一部です。この歌では、「人は幸せになるために生まれてきた」ということを前提として生き方が歌われます。幸福学において、「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」という4つの因子が幸せのカギであると言われます。これら4因子は、まさにキャンプ内でたくさん転がっているものです。
キャンプは「幸せに生きる方法」を知る場所です。遊んだりうたったり、楽しい時間を過ごす反面、誰かと時間を共にする以上、我慢をしなければいけないこともありますし、喧嘩をしてしまうこともしばしばあります。キャンプでは、それらの嫌なことから目を逸らしたり、避けたりするのではなく、「どうすればよかっただろう?」とポジティブに向き合いながら、自分たちなりの答えを出していくのです。はじめは、なかなか上手くいきませんが、少しずつ変わっていく様子も見られます。キャンプ終了後、ふりかえりアンケートにおいて、多くの保護者の方から「参加前と比べて成長を感じた」と回答をいただきました。まさに、嫌なことや面倒だと感じることにも向き合い、それらを含めて楽しむ経験ができたからではないでしょうか。それこそが、互いを認め合い、高め合う「ポジティブネット」のある豊かな社会です。
今年度の余島わんぱくキャンプは終了しましたが、キャンプに参加したメンバー・リーダーの一人ひとりが、日々幸せであること。そして、それぞれの場所で幸せを広げていく一人となっていてくれると嬉しいです。最後になりましたが、キャンプにご参加いただき、ありがとうございました。また、次のキャンプでお会いしましょう!!
キャンプディレクター:有安 紀(おさむリーダー)
プログラムディレクター:市川 愛(ジャミリーダー)