8月20日より岡山・香川県の一部に「まん延防止等重点措置」が適用されました。そして、明日8月25日には、緊急事態宣言が発出されるようです。予想していた事態とはいえ、職員一同大変心配しています。誰もが経験したことがないこのような状況のなか、今後はますます自分たちの頭で熟慮した対策が必要になってきました。
そもそも「まん延防止等重点措置」「緊急事態宣言」とは、指定された地域で広がっている感染拡大を抑え込むことを目的に適用されます。そこで、YMCAせとうちは、新たな変異株の感染拡大や、こども・若者の感染者増大というデータを鑑み、ご家庭・学校・地域と協力しながら、独自の対策を立案しました。
具体的には、以下の7項目に取り組みます。
①論理的思考に基づき、出来得る限りの感染対策に注力し続けます。
②すべてのサマーキャンプ(日帰りディキャンプを含む)を中止します。
③多くのプログラムの開始時期を9月12日以降とします。
④学校・幼稚園の休校・休園に備え、準備を整えます。
⑤指導者のワクチン接種速度を早め、9月中に接種可能者全員の接種を終了します。
⑥冬のキャンプの参加条件として、PCR検査陰性を義務づける予定です。
⑦ウィルスの次にやってくるものに気をつけます。
①論理的思考で、感染対策に注力
新型コロナウイルス対策で一番疑問に感じているのは、専門家と称される人たちも本当に感染症や、感染予防対策を甘く見ていることです。感染は人の行動に関わることですし、人の行動は簡単な声掛けで変えられるものではありません。健康づくりの歴史、基本、経験に学び、ぜひ、論理的思考で感染対策を実践してください。
飛沫感染 :飛沫は正面の2メートル先にしか飛ばない
エアロゾル感染 :排気に向けた空気の流れを作る以外に対策はありません。
→エアロゾルは閉鎖空間では10メートル程度、数十分留まる
接触(媒介物)感染:飲食直前の手洗いが重要です
→調理時、会食時に、料理に飛沫をかけない工夫が必要
→調理人、サービスをする人は不織布マスク以外は禁止
→外界に出たウィルスは付着部位によって7日前後は感染力がある
唾液(キス)感染 :唾液中には多くのウイルスが含まれ感染リスクが高い
これらの対策を教えてくださっているのは岩室伸也ドクターです。以下、リンクを張っておきますので、Video等の画像をご覧いただき、学びを深めてください。
コンテンツは、以下のとおりです。★のところは、感染予防についての総論、考え方です。 このことをきちんと理解した上で、◆感染経路を踏まえた予防方法を学習してください。
★感染予防の基本(2021.6.23更新) video ppt ねらい (6:32)
★常に考えたい「何故」と「根拠」(2021.6.27更新) video ppt ねらい (8:15)
★「リスク」と正しく向き合うために video ppt ねらい (6:16)
◆意外と見落とすマスクの真実 video ppt (7:14)
◆エアロゾル編 video ppt (4:19)
◆飛沫編 video ppt (2:44)
◆接触(媒介物)編 video ppt (6:33)
◆空気(飛沫核)編 video ppt (6:47)
◆会食時に注意したいこと video ppt (3:52)
◆誤解から生まれた対策? マスク会食の誤解 video ppt (1:37)
②8/20以降全ての夏キャンプを中止
③活動の開始は9月13日以降
ご存知のように、全世界そして日本全国に新型コロナウィルスデルタ株の感染が拡大し、収束、そして終息する目処が立たない状況となっています。岡山県もその例外ではなく、先週はついに感染者数が300人を超える日もあり、陽性率は14.2%(ステージ4の基準は10%以上)となっています。
東京都では、1日当たりの新規感染者が5000人を突破しています。感染者数の多さを裏付けるように、陽性率も8月4日時点で20.9%と、異常な高さになっています。実は、東京の陽性率を超える自治体が他にもあります。最も陽性率が高いのは神奈川県の26.39%。同県内の川崎市にいたっては、41.9%です。WHOは、感染がコントロールできているかを判断する指針として「陽性率5%未満が少なくとも2週間続くこと」としています。5%を超える状態は、検査件数が少なすぎるか、市中感染が想定より進んでいるということを示しています。そう考えると東京は、検査件数も少なく、市中感染も進んでいる可能性が大きく、岡山でも状況は同様です。つまり、現在発表されている数字よりも、感染者はもっと多いと考えられます。
感染が大爆発している東京都は、1日当たり6万8000件の検査能力があるといいますが、実際は、7日間移動平均で1万2000件程度しか行われていません。人口が3分の2ほどの大阪府は、検査数1万6000件を超える日もあり、陽性率は7.5%です。大阪と比べると、都の検査件数は明らかに少ないのです。「実際の都の検査能力は限界に近づいている可能性がある」(医療関係者)とのこと。 今後は検査を受けたくても受けられない“PCR検査難民”が続出する恐れもあります。満足に検査が受けられなければ、陽性率は上がる一方なのです。岡山でも、状況は悪化の一途をたどっていると考えられます。それは、感染者を特定し、適切に隔離できないことを意味します。
上記のデータからも明らかなように、中国地区の中でも岡山の状況は最悪となっています。そのような自覚をもち、対策を練っていかねばなりません。そのためには、人との接触をできるだけ抑えることが大切です。対策①、②はそのような根拠に基づいて考えました。
④学校園の休校・休園に備えます
現在、まん延防止等重点措置の期限は、9月12日に設定されています。しかしながら、この科学的根拠は薄く、今後の政局によって実際どうなるかはわかりません。実際には、上記のグラフからも明らかなように、夏休みに入ってからのこども・若者たちの感染拡大は、他の世代と比較しても明らかに急激です。この状況で新学期に突入すると、ますます感染者が増えることが予想されます。ただし、昨年同様季節性要因があるならば、増え幅がそこまでではない可能性もありますので、今後の様子に注力しておく必要があります。いずれにしても、学校園の休校・休園に関しては、未だ方針がでていませんが、新学期になって感染が急激に拡大してきた場合は、当然講じられる措置に思います。
対策④に関しては、そのようなことを鑑みています。
⑤指導者のワクチン接種を早めます。
学校・幼稚園の休校・休園が発生した場合、以下の対応となります。
① 9月下旬までに発生した場合
→活動休止。保育園や学童も対象となり得ると考えています。
その際は個別にご相談させてください。
②10月中旬以降に発生した場合:
→必要な活動を実施できる可能性が大きくなります。
上記の根拠は、以下のとおりです。
④「学校園の休校・休園」の対策を考える時に必要不可欠なのは、プログラム実施のための指導者です。ご存知のように、現在国策として優先的にワクチン接種が可能だった方は、医療従事者と、65歳以上の高齢者でした。一時は1日あたり100万人の摂取者を記録しましたが、ここにきてワクチンの量が不足し、停滞しています。結果、60歳以下の人々のワクチン接種は、未だ不透明になっています。
われわれYMCAには、医療従事者も、高齢者もおらず、夏前までは誰ひとりとして接種を終えたものがいませんでした。YMCAには、職業として努めている「スタッフ」とボランティアとして関わっている「大学生リーダー」という2つのカテゴリーが存在しています。現況から判断すると、10月中旬には、大方の接種希望者に免疫が形成され、それぞれの命を守る準備が整います。ただし、この変異株の場合、ブレイクスルー感染の可能性があることも看過できませんので、判断はその時の状況によりますこと、ご了承ください。私たちは、こどもと若者と指導者の命を守るために、最大限の努力をいたします。
万一9月下旬までに休校措置が出た場合は、できるだけ参加者のみなさんもご配慮いただき、10月以降の盤石な体制づくりに協力していただきたいと思います。個別にご相談しますので、どうぞよろしくお願いします。
①スタッフ:9月中に接種完了の予定です。
信愛クラス:保育従事者優先接種制度を活用し、該当者は1回目の接種終了。
学童クラス:各自で予定をアレンジし、9月中には2回接種終了予定。
*諸事情で、ワクチン接種が不可能な者が若干名いますが、PCR検査で対応します。
②リーダー:各校職域接種に取り組んでおり、現況は以下のとおり。
就実:8/30~9/3 1回目接種。病院実習に行く人で接種希望者は、接種済み。
清心:8/31~9/3 1回目接種。9/28~10/1 2回目接種。
中国:接種あり。
川福:全員接種済み。
岡大:7/9-28 1回目接種。8/6-27 2回目接種。
理大:8月下旬から9月中旬 1回目接種。9月下旬から10月中旬 2回目接種。
IPU :ワクチン不足のため、実施時期未定。
⑥PCR検査陰性を義務づけます。
今現在、12歳以下のこどもたちはワクチン接種が不可能で、今後とも見通しがつきにくい状況です。そのような状況の中で、みんなの安全を確保する手段として有効なのは「PCR検査」です。そこで、現在YMCAせとうちでは、冬のキャンプから、参加希望者のみなさん全員にPCR検査陰性を義務付けさせていただこうと考えています。
実際今年の夏休み以前は、リーダーたちも同じ状況でしたので、キャンプを担当するスタッフ・リーダーが、事前にPCR検査を受けて、陰性を確認の上、キャンプを引率しました。これには、感染拡大防止対策、クラスターを未然に防ぐことを目的とし、大阪のオネストLクリニック様が、医療機関として全面的にご協力いただきました。
現在徐々に準備を重ねていますので、詳しくは改めてご報告いたします。
⑦次にくるものに気をつけます。
#はなれていてもつながっているキャンペーン
新型コロナウイルス感染症への不安や恐怖は、人々の心や社会に、差別や偏見をもたらしています。YMCAでは、日本赤十字社が進める「新型コロナウイルス3つの顔を知ろう!」というキャンペーンに賛同し、より広く全国各地のYMCAや教育機関等でご活用をいただけるよう動画を作成しました。ぜひご家族でご覧ください。
“みんなでみよう、かんがえよう!「ウイルスの次にやってくるもの」”
“恐怖”、“不安”、“相互不信”という負の連鎖を止めるために、立ち止まって考え、それぞれの場所で私たちのできることをしていきたいと願います。
アニメーション「ウイルスの次にやってくるもの」制作著作:日本赤十字社