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ナナメの関係が、社会を変革していくと信じて 〜災害支援とPTCNA YMCAせとうち総主事 太田直宏

「今だけ、金だけ、自分だけ」。毎日こんなお話ばかりが目につきます。いつも間にか私たちのクニは「あまりにも経済に偏重した」価値観が蔓延する社会となってしまったようです。しかしながら、このような状況は、日本を「よりよく、しかも持続可能足らしめる」とは到底思えません。だからこそ私たちは「未来を見据え、目に見えないものに目を注ぎ、他者とともに生きる人の育つ場」をPTCNA(家庭・学校・社会・NPO)で協働して創造しなければならないと感じています。キーワードは「ナナメの関係」です。

 昨年の7月7日、岡山県倉敷市真備町では朝までに小田川と支流の高馬川などの堤防が決壊し、広範囲が冠水し、真備町だけで51人が死亡。浸水範囲は真備町の4分の1にあたる1,200ヘクタールに及び、多くの住民が避難生活を余儀なくされました。この事柄は真備に暮らす人々、とりわけこどもたちに大きなダメージを与えました。発災直後から多くのボランティアが、避難所となった学校に支援にかけつけました。現在文科省では、「社会全体で子どもを育て守るためには、親でも教師でもない第三者と子どもとの新しい関係=「ナナメの関係」をつくることが大切である」と謳っています。これら支援者はまさにナナメの存在。「今だけ、金だけ、自分だけ」とは真反対の行動原理に突き動かされてやってきた存在は、様々な人々と協力しながら支援活動を展開し、受援者であったこどもたちの心に大きなインパクトを与えました。

しかし、時間が経過し、避難所が発展的に解消されていくなかで、多くの支援者は当然ながらそこを去っていくことになりました。ところが、目に見える街の復興は進みましたが、目に見えないこどもたちの心の問題はまだまだ山積していたのです。そこでYMCAせとうちは、2018年9月より、リフレッシュキャンプを2年間継続して実施する計画を立てました。それはYMCAに「ナナメの関係の存在=大学生ボランティア」が多数在籍していることが主因です。被災生活で課題を抱えながら暮らし続けているこどもたちが、リーダーとの出会いで、そこから解放され、新たな価値に気づく機会となることを確信していたからです。

「子ども一人一人に本気で愛情をもって接してくれている姿に、いつも感謝と、感動しています。有難うございます。とても明るいリーダーたちの姿に安心しています。仕事柄、大学生と接することが多いのですが「本当に同じ大学生?」と驚きながら見ています。皆さんとの関わりを通じて、子どもたちが「リーダーのようになりたい」と思ってくれるといいな~と願っています。

キャンプ終了後保護者の方からいただいた手紙の抜粋です。ここには、リーダーという「今だけ、金だけ、自分だけ」とは真逆の世界に生きている存在との出会いを通して変革されつつあるご家庭の様子が如実に表れています。ひとりが変わることは、社会全体の変革に繋がっていくと信じて今後も協働の働きを継続していきたいと願っています。